1人目の社長の会社の業績と比べたらはるかに低空飛行ではあるものの、
かろうじて黒字決算を続けていた2人目の社長の会社にとって、
3年前から始まった一連の社会の変化は大打撃だった。
あれから間もなく3回目の決算を迎えるものの、
今期も黒字化はむつかしいかもしれない。
一つ一つの意思決定や施策を見ていると、
決しておかしな選択はしていないように思える。
今がこれまでの時代の延長線上にあるならば。
世間では、
周到に用意された大手企業の賃上げ話が喧しいが、
少なくとも今のところ、
この会社に賃上げを考えるゆとりはないだろう。
社長にとって目下の関心は早急な黒字転換であるが、
企業の損益は遅効指標でしかない。
この会社でも、
退職する人が後を絶たない。
特に若い人たちが。
1人目の社長の会社と比べたら規模も大きくないため、
一人一人の人材の流出が、
直ちに組織運営に影響し始めている。
その変化のペースを見ていると、
黒字化うんぬん以前に今の組織の体裁を維持すること自体、
風前の灯のように見えなくもない。