3人の社長がいた。
一人は、「一隅を照らす」という言葉が好きだった。
誰も注目しないような業務にもちゃんと取り組んでいた結果、
その姿を認められて社長にまでなったという、
ご本人の「照らされた」経験に基づく想いが含まれていたのかもしれない。
だからみんなも今置かれた場所で咲けばいいんだよという、
周囲への励ましの気持ちもあったかもしれない。
そうしてリーダーになったその方にとって、
ご自身はそれまでどおり、
「誰かに照らされる対象」であった。
その会社は相変わらず堅牢な財務基盤と、
同業他社が羨むような好業績を維持し続けている。
と同時に、
規模が大きいゆえにたちまちの影響は軽微なものの、
その会社からは櫛の歯が欠けるように、
ぽろぽろと社員が辞めていっている。
特に若い方々が。