すみれ5

「アンビエント」という言葉を知ったことは、

静かな邂逅だった。






ああ君だったのか、

やっと会えたね、

とでもいうような。









それは何も、

音楽に限った話ではないから。









ただの言葉かもしれない。






でもある種の「違和感」を感じながら、

物心ついた頃から何十年も生きてきた者にとっては、

それがどれだけ必要だったか、

という場合もある。









「アンビエント」という存在形態があると知ることが。









わたしにとっての「スミレ」を見つけることが。