すみれ3

アンビエントという音楽ジャンルがあると知った時、

ふと頭に浮かんだのは、

井上陽水さん。




それもどちらかというと、

マイナーな曲の方。









メロディー自体にはもちろんのこと、

歌詞にも「アンビエント」な要素が含まれるとでも言えば、

少しは言い表せているだろうか。









歌詞の言葉を直接的に受け取って解釈しようと思っても、

なかなか意味がつかみにくい。






そもそも「意味」をつかもうとすること自体、

作った側のアプローチにそぐわない可能性も。









「お手軽ランチ」も「屋台の味」も「すみれ」も、

その直接的な「意味」はまったく別々だけれども、

もし表現者が「ラーメン」をイメージしながら出た言葉だったとなると、

話が違ってくる。






でも「ラーメン」の表現として、

最初の2つは比較的多くの人にとって受け入れられやすくても、

「すみれ」にいたっては、

ごくごく一部のラーメン通に伝わるかどうかというレベルだろう。









そうやって「受け手の許容度合い」も意識しつつ、

自分なりの「美」を歌詞として表現していく。






人によってはそれを、

「世界観」と解釈するかもしれない。









結果的にそうやって出てきた歌詞は、

作者のイメージの方向性を示唆する「サイン」ではあるものの、

一般的には「あいまい」だと受け止められやすい。









この「曖昧さ」を好むかどうかは、

人それぞれ。




受け手だけでなく、

表現者の側だって。









このあたりがわたしにとっての、

「アンビエント的な」音楽だなと。