アンビエントという音楽ジャンルがあると知った時、
ふと頭に浮かんだのは、
井上陽水さん。
それもどちらかというと、
マイナーな曲の方。
メロディー自体にはもちろんのこと、
歌詞にも「アンビエント」な要素が含まれるとでも言えば、
少しは言い表せているだろうか。
歌詞の言葉を直接的に受け取って解釈しようと思っても、
なかなか意味がつかみにくい。
そもそも「意味」をつかもうとすること自体、
作った側のアプローチにそぐわない可能性も。
「お手軽ランチ」も「屋台の味」も「すみれ」も、
その直接的な「意味」はまったく別々だけれども、
もし表現者が「ラーメン」をイメージしながら出た言葉だったとなると、
話が違ってくる。
でも「ラーメン」の表現として、
最初の2つは比較的多くの人にとって受け入れられやすくても、
「すみれ」にいたっては、
ごくごく一部のラーメン通に伝わるかどうかというレベルだろう。
そうやって「受け手の許容度合い」も意識しつつ、
自分なりの「美」を歌詞として表現していく。
人によってはそれを、
「世界観」と解釈するかもしれない。
結果的にそうやって出てきた歌詞は、
作者のイメージの方向性を示唆する「サイン」ではあるものの、
一般的には「あいまい」だと受け止められやすい。
この「曖昧さ」を好むかどうかは、
人それぞれ。
受け手だけでなく、
このあたりがわたしにとっての、
「アンビエント的な」音楽だなと。
