ご近所さんから、
「さんばい」という料理をいただいた。
要は大根のなますなんだけど、
漬ける際の酢が柿酢であるところが、
大きな特徴。
大根以外に何を一緒に入れるかは、
人それぞれのアレンジポイントのようで、
いただいたものには桜の花の塩漬けが入っていた。
なんとも風流。
これが信じられないくらい美味しくて、
家族であっという間に食べてしまい、
いただいた方にお礼がてらいかに美味しかったかを熱弁したら、
作ってみるかいと言われて、
大根と貴重な柿酢まで丸ごと1本いただいた。

・大根を短冊切りにして、重量比3%の塩につける
・水が上がってきたらしぼる
・柿酢と砂糖を適量まぜて、しばらく置く
んーなんともざっくりレシピ。
で、作ってみた。

う、うまい。。。
また家族と取り合いになり、
大根を買い足しつつもう4本分作っては完食した。
柿酢自体の甘みと丸みがあるので、
米酢や穀物酢で作る一般的ななますよりも、
砂糖はうんと少なくていい。
でもやっぱり、
いただいたあの味には到底かなわない。
料理の味って、
舌で感じる味と、
それ以外の「何か」で感じる味があるように思う。
作り手の人柄という味、
とでも言ったらよいだろうか。
レシピどおり作れば再現しやすい前者の味としては、
地味だからこその滋味といった感じ。
そして何より後者としては、
「慈味」とでも呼びたくなるような、
やさしい味だった。