守破離2

「家出」に慣れてきたら、懼れつつでも最初は構わないから、飛び立ってみようか。

多少の筋肉痛はあるかもしれないけれど、羽ばたく動作を繰り返していれば自然と、腕は太く逞しくなっていくものだから、大丈夫。






さて、とうとう飛び出したらせっかくなのでまずは、上へ、上へ。



そうすればきっと程なくして気づくんじゃないかな。

周到に用意された籠と周囲の愛につつまれ、

餌に困らず、寝床に困らず、

いかに安穏とそこに存在していたのか。








さあ、今度は悠々と大きく一回り二回り、外界を旋回してみようか。

今まで育ってきた巣や、巣があった民家や、その周囲の田園地帯。






その上で一つ、大きな深呼吸をして、

大いなる空の上から地上の喧騒と、地面に映る等身大の影を見下ろせば、

「普通」の自分であることのつまらなさが、

名でない「何か」があることの大切さが、

きっとじわりじわりと込み上げてくるよ。