エンデ3

「モモ」と「はてしない物語」がずいぶん面白かったので、ついでにもうちょっとエンデ自身の考え方について触れてみたいと思い、「オリーブの森で語りあう」まで読了。

対談相手が政治家ということもあり、社会学や哲学や政治で出てくる抽象概念が会話に飛び交いますが、エンデは私たちが当然視している「その土俵」で論じるのではなく、「その土俵」自体は自分なりにとっくに咀嚼し終えた上で、それを超えようとしているのがよく分かる。

「正解」なんて持っていないけれど、「その土俵」の外側に出ないであーだこーだ言ってるから決して真にポジティブなもにはたどり着かず、ネガティブなループを延々繰り返す。

小難しい会話が続くけれど、エンデの考え方ってシンプルで分かりやすいと思います。

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誤解されないよう用心深く説明しておこう。これまで不可能だと思われていたことが、可能になる。ぼくらには、それがそもそも可能になったということが、どうしてもわからない。ところがそれが現実のものになる。個人の生活でも、そういうことがある。(中略)もちろん、それだけを当てにしてはいけない。手をポケットにつっこんだままじゃ困る。でもそういう希望があると、もっと動きやすくなる。ぼくたちとしては、もてる知識と良心に照らして、現在において適切だと思うことを、実行するしかないわけだけどね。

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ほんの些細なことでいいからこのことを実体験を持って腹落ちしている人って、多少の浮き沈みはあってもとても前向きだし、よく行動しているなと思います。

こういう考え方が根底にあるエンデが書いたから、「モモ」も「はてしない世界」も読後に明るい感じがしたんだろうなあと思います。